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丹沢の在来ヤマメ・イワナの存在を考えてみる

公開日:2017年07月10日 カテゴリー:Geo Sagami タグ:, , , ,            

何回か、素人なりに考えなどをまとめてみたことがありましたが、今回は丹沢の在来ヤマメについて少し動きがあるようなので参考になるリンクなどご紹介しながら今回は話を進めてみたいと思います。

この件については少なからず反響があって、検索からたどり着いたとおっしゃる方とメールなどのやり取りがあるほどでしたので、以外にもこのテーマについてご興味のある方が多いのかと思われるところであります。

幻の丹沢ヤマメ


出典:丹沢大山総合調査学術報告書 (2007)

少し詳しい方ならご存知かと思われますが、丹沢の在来ヤマメは朱点や朱帯(本来ヤマメにはない)があること、パーマーク(幼魚斑)と呼ばれる小判型の模様が小さく不規則に乱れて並ぶなど幾つかの特徴があったといわれています。

朱点や朱帯というと、アマゴの特徴ではあるのだけれど、酒匂川水系、あるいは付近の小河川がヤマメとの分布境界線と言われているが、「昭和初期の釣り人達は相模川も分布地であったというのが周知するところである。」という過去の聞き取り記録もあるようです。

それほど情報量や学術的知識のなかった当時の相模川水系・酒匂川水系流域の人々には、古くからヤマメ・アマゴの混血種(あるいは中間的形態をもつ種)が一般にヤマメとして認知されていた可能性もあるのかと感じていました。

これもご存知の方も少なくはない話ですが、一般的に大正期の関東大震災で丹沢周辺の流域における渓魚の多くは絶滅し、その多くが放流個体で在来のヤマメは絶滅したと考えられています。

しかし、相模川水系や酒匂川水系の一部において、「在来の可能性が高いヤマメ」が、神奈川県水産技術センター内水面試験場などの調査によってわずかながら残っていることが分かってきたそうです。

少し前の情報ですが、これにともなうヤマメの展示もされているようです。

» 幻のヤマメ | 相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら 2017.03.03

ボクもこういったネタにかなり興味があるほうなので、一尾づつ釣りあげるたびによく確認するほうなのですが、朱点や朱帯については秋の婚姻色や稚魚に多くみられるようですね。

個人的にはパーマークに目が行くことが多いのですが、「小判型というよりむしろ円形に近い」とか、「小さくランダムに並ぶ」など怪しい個体を小さな沢筋などで見かけると、ついつい「在来種では?」などとほくそ笑んでみたりしています。

幻の丹沢ヤマメ参考リンク

このテーマについて、ご興味のある方は以下のリンクも参考になりますので一読されることをお勧めします。

» 丹沢の渓流魚の危機 – 神奈川県農林水産情報センター

» [PDF] 丹沢山塊における渓流魚の分布について – 神奈川県農林水産情報 …

» [PDF] 丹沢在来ヤマメの生息状況調査 A Research of the Wild Population of

» ヤマメ – 神奈川県レッドデータブック

» アマゴ – 神奈川県レッドデータブック

在来の丹沢イワナは幻か

これについてももちろん、研究は進んでいるものと思われるところではありますが、我々一般のアングラーでも現在、多く丹沢に分布するニッコウイワナではなく、本来はヤマトイワナ(キソイワナ)が在来種であることは周知するところである。

正直言って、現在の丹沢を流れる河川の上流部には、ヤマトイワナともニッコウイワナとも、さらにはアメマス系とも取れない形骸的な特徴を持つイワナを目にすることが多いわけです。

じっさいのところ、大正期の関東大震災による多くの丹沢河川の在来イワナ絶滅以来、これらすべての種(ニッコウイワナ・アメマス)が放流されている経緯が県内にはあるわけです。

これについては、昭和期に入ってからの「無秩序な放流」などと、しばしば揶揄されるところではありますが、現在ほど学術的な種の保全に明るくはなく、山間地域のタンパク源が生きるために必要であった先人を責める気もないところでもあります。

ただし、道志川上流部には現在でも分布が確認されているなかで、丹沢の他の河川でもヤマトイワナが分布する可能性もわずかながらありそうだ。

もともと、氷河期からの源流性生物ということもあり、冷水を好み、わずかな上流の小沢でも生きていけるという生態を特徴とするイワナならではの推理が成り立たないのか?

こういった、貴重生物の情報などはネット上で拡散するような価値のない話題ではないので、うかつに情報を発信してしまう方もあろうはずもなく、しかしながら、まことしやかに「ヤマトの沢」などとボク自身も噂を耳にすることがあるのも現実である。

もちろん、ヤマメの在来種以上にヤマトイワナとほかのイワナには決定的に形骸的な特徴の差があるので、釣り人などが殺到すれば、たちまちに絶滅してしまう恐れもあるわけで、保護を考えれば情報などないほうがよいとも思ってもいるところではあります。

個人的には、「丹沢ヤマトイワナの沢」が、丹沢核心部あたりのどこかの流れに存在することを今も信じてやまないところでもあるのですが…。

丹沢在来イワナの現在と関連リンク

前述のとおり、神奈川県内、とりわけ丹沢山塊を流れる渓流群にはニッコウ系のイワナが分布しています。

これらは昭和中期にはいってから放流されたものだといわれていますし、多くの記録も残されているわけです。

一般的な渓流に放流されて物は繁殖前に釣り切られてしまうようですが、最上流部まで上り詰めたものや、そこに放流されたものは釣り人の目に触れることもなく、したたかに繁殖しつづけているようです。

それはそれで喜ばしいことではあるのですが、一方でこの放流イワナについてはサンショウウオ数種やカジカの減少、ヤマメの繁殖への阻害的要因などもあるそうです。

現在では、漁協もイワナの放流は極力控えていると聞きますが、個人的にはごく普通に釣れ続けているのでニッコウ系のイワナは繁殖能力に優れているのか、丹沢が適していたのかその数は保っているようです。

聞くところによると、ヤマトイワナより繁殖力が強く、養殖もたやすいのが放流された一因らしいのですが、もともと丹沢山塊にヤマトイワナを含めてイワナが存在していたのか、賛否両論といったテーマではあります。

じっさいに、下記リンクを確認すると興味深い点があり、それは丹沢での調査においてヤマト系のイワナが確認できたが、個体を遺伝子レベルで調べると「琵琶湖に注ぐ姉川水系のイワナ」に近いものであって、これは放流魚由来のものである可能性が高いと匂わせるものなのだ。

これらは、丹沢の数河川で確認されているようではあるのだが、たとえヤマトイワナが丹沢のいずれかの河川で釣れたとしても、必ずしも在来種ではないということを意味している。

そもそも我々、丹沢のアングラー(釣り師)は勘違いしがちなのだが、ニッコウイワナとヤマトイワナの生息境界線が相模川であるといわれていることを念頭に置いておきたい。

必ずしも「ヤマトイワナ=丹沢在来イワナ」ではないという可能性すらあるわけで、在来種の特定はきわめてハードルの高いテーマと言えそうなのである。

» [PDF] 丹沢山塊に生息するイワナの分布と系統 – 神奈川県立生命の星・地球

» ヤマトイワナ – 神奈川県レッドデータブック

県などによる学術的な資料で、参考になりそうなので一読されてみてはいかがでしょうか。

         

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Posted by Goro Sasaki

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