丹沢の渓流域で釣りをしていると、何やら流れの中に銀色の物体が右往左往していることがある。

釣りの邪魔となるわけで、こいつのおかげで良いポイントも台無し。

こいつの正体を知ったのは、だいぶ以前になるが、その名を「カワネズミ」というらしい。

カワネズミは丹沢や箱根にもいるよ

潜水して川虫や小魚などを餌としている鳥のカワガラスはおそらく山を歩く方であればご存知かと思うところである。

ところが、このカワネズミは各都道府県のレッドデーターブックでも準絶滅種となっていることが多く、目に触れられることが、渓をよく歩く釣り人でさえ少ないのだとか。

やはり、神奈川県のレッドデーターブックでも準絶滅種としての位置づけとなっている貴重種。

昭和30年代には、渓魚を扱う養魚場付近ではまさにネズミ算式に増えたというが、全国的に数を減らしている動物のようです。

かなりの大食漢だそうで、ヤマメの稚魚などもペロリと平らげてしまうほどで、業者や釣り人からすると害獣?的な要素も持ってはいるのですが、絶対数が圧倒的に少ないので問題はないでしょう。

じつは、ネズミと名がついてはいますが、このカワネズミはモグラの一種で、

学名:Chimarrogale platycephala (Temminck,1842)
モグラ目/トガリネズミ属/カワネズミ科

に属し、体長は、11㎝~14㎝ほどの別名「銀ネズミ」とも呼ばれる哺乳類。

友人などは「誰か目の前でルアー釣りをしているのか?」と勘違いした笑い話があるほど潜水して泳ぐ姿は銀色に輝きるスプーンなどのルアーそのものといったサイズ感。

ネズミと名はついているものの、モグラの仲間だというところは意外に意外w

ちなみに近縁種は、東南アジアなど一帯に生息しているようですが、本種は、本州、四国、九州に生息する。日本の固有種です。

食うか食われるかの世界に生きる小動物

じっさいにヤマメの稚魚などはペロリと…などと前述しましたが、それはそれとしてイワナの腹から黒い毛の塊が出てきたなどという渓流釣り師の調理話を時折聞くところでもあります。

これは明らかにカワネズミやカワガラスなどが大きめのイワナの餌となりえている事実を物語っているわけで、渓魚とは食うか食われるかの関係に常日頃生き抜いていると言えます。

おそらくは、時として大型渓魚の餌にもなっていることもあるということなのだと思います。

この点からも害獣というよりは、渓魚たちとのバランスをとるために存在する生き物なのかもしれませんね。

カワネズミを見かける渓こそが健全な渓流なのかもしれませんが、一つのバロメーターになりえる存在なのだと最近は注視しています。

近年では、渓魚の過剰放流などによる弊害でサンショウウオや水生昆虫などの存在が危ぶまれることも少なくはありません。

いかがでしたでしょうか?このカワネズミの存在。

ともすれば、気にもすることもなく通り過ぎてしまいがちな存在ではありますが、まぁ、珍獣とも貴重種と言われても今一つパッとしない存在のような気もします。

近代に入って砂防堰堤や植林などの影響で数を減らしているのは確かなわけで、見かけてもそっとしておきたい在来の小動物の一つかと感じている次第です。