上唐沢川 釣行記録 2018

2018年9月15日Fishing, 東丹沢

この投稿はすでに8月末となってしまいましたが、6月末に訪れてみた丹沢の大山を水源とする相模川支流中津川の上流、唐沢川の最上流部は上唐沢へ入渓した記録となります。

遡行図はこちら » 上唐沢川遡行図

原始の姿をとどめる数少ない丹沢の小渓上唐沢

丹沢の歴史に少しでも明るいアングラーの間では、大山周辺の渓流群は大正期における震災の影響を受けることが少ない水域であることが広く知られている。

最上流部は意外な険しさを見せる上唐沢

舗装林道である唐沢林道を使えればアクセスは容易ではあるのだが、清川側、札掛側ともにゲートで閉ざさており、一般車の通行は禁止、さりとて中津川出合付近の唐沢川キャンプ場からの入渓も徒歩ではかなりの距離となり、いずれにしても上流部の上唐沢及び支流物見沢への入渓は徒歩でのトレッキングを強いられる。

というわけで、唐沢川キャンプ場から物見沢出合の下流、黒岩付近から上流域の唐沢川へのアクセスはそれなりの苦労が強いられるわけであり、コンディションの良い渓魚やともすれば在来種を色濃く残す魚影に逢えるのではないかと数年前から自身では期待していた流れの一つであったわけである。

ところが、思惑とは裏腹に今年の県道70号線(旧丹沢林道秦野清川線)が春夏の2回も法面の崩落により、札掛付近で崩落通行止め。現状では2回の釣行にとどまってしまっている。

入渓途中の登山道だが、釣り人にとっては少々難儀

唐沢川といえば、東丹沢でも知られた渓流釣り場として県内の渓流ファンには認知されているところである。

オールドファンなら知らぬものはないほどの好渓である支流物見沢や上唐沢と呼ばれる小唐沢橋以遠の最上流部の現状はどうなのか?

数年前に信頼できる情報筋から”物見沢は荒れていた”と聞いていたので、この流域からはしばらく距離を置いていたわけで、正直それほど釣果には期待することのない探釣といったところになった。

札掛けから一ノ沢経由で登山道越え黒岩へ

関係者以外は徒歩意外通行することの許されない唐沢林道を基点(双方のゲート)から黒岩付近までのアクセスに使うのは、距離的に現実的な判断ではない。

一度、登山道は布川を渡る

そこで、札掛けのスペースに駐車して、70号線にある唐沢林道ゲートの札掛け側に道標のある一ノ沢峠を越える登山道を使い、林道をショートカット。

地図をご覧いただければ、ご理解いただけるかと思うが、これでも体力的には骨が折れる。

一ノ沢峠より林道に出たなら、そのまま小唐沢橋に向かっても良いのだが、今回は同行者が堰堤の釣りをやりたいとのことで林道の道標に従い、さらに黒岩へ続く登山道を林道を越えるように今回は黒岩へ下る。

釣り人には少し難儀な一ノ沢峠越え

ちなみに黒岩と地名があるが、それらしい岩もなければ何もない堰堤上の広河原に出るといった結末に終わり、以遠は数基の堰堤を小唐沢橋まで巻き上がるといった行程になるが、残念ながら、物見沢下流を含めてコンディション、型ともに今一つパッとする釣り場ではない印象を受けた。

物見沢についてはほんの下流域だけに竿を出した程度ではあったのだが、本流と比べてもかつてより水量が少なくなっているように感じたのは気のせいだろうか

ここまでは平凡なポイントといえば、堰堤頼みの一般渓流であった唐沢川ではあるが、正直言って今年に入るまでは小唐沢橋以遠の上流がどういった流れになっているのか知らなかったのである。

右岸側からの入渓路はしっかりしている

しかしながら、しばらくはゴーロ続きの同じく平凡な流れではあったのだけれど、しばらくすると目の覚めるような源流さながらの好渓だったのは意外な誤算だった。

丹沢在来種ヤマメと上唐沢川

唐沢林道への自動車乗り入れが可能であった時とは違い、上流域へのアクセスは正直言って骨の折れる時代となってしまっている。

故に自然は残されているといってよいわけでもあり、半面において過度といえるようなな放流も期待できない。

これを見ると在来種 ”赤いヤマメ” ともとれるのだが

そういった時代に取り残されつつある渓流釣り場ではあるが、苔の鮮やかなナメや小滝、巨岩など変化に富み、渓魚についてもヤマメ8割イワナ2割といったそこそこの渓流釣り場といった印象を受けたのである。

もちろん、残念ながら人の手が今は入っていないようで、魚影、型ともによいとは言えないが、在来ではないかといった個体が散見される中で、コンディションは一級といった印象を印象を受けた。

渇水状況であった今回の水量をみても条件次第では、種の保存について大いに期待できそうだと感じている。

大山周辺も関東大震災の影響が浅かった地域であり、末裔の存在を十分。ただしイワナの魚影があることから見ても過去に放流といった、人の手が入っているのは確かだと思う。

事実、上流までの流域に続く経路(炭焼廃道)に2基ばかり存在する山神様などの歴史的遺構に影響が少なかったことの銘文が刻まれており、これは信頼できる話であると思われるわけです。

今回は大ノ沢出合いを過ぎたあたりで納竿としたのですが、まだまだヤマメの姿は消えず最上流部に期待が膨らむままで時間切れ。

70号線の回復を待って来年以降の報渓となりそうだが、野性味のあふれる在来に近いヤマメの姿を入れたことに今回は感謝しているところなのである。

上唐沢以遠についてお伝えしたいのは、現在に至るまで人工的な手が流れに入っていないこと、ハイカーなどにも不人気のためか、訪れる人間の数がないことなど、原始の姿をとどめる貴重な渓流釣り場であること。

下流域とは様相を転じて堰堤など皆無で、なおかつ水量も豊富で流程も長いといった数少ない渓流釣り場であることは間違いはなく、丹沢を愛するアングラーなら一度は釣果やアクセスの悪さを鑑みても訪れてみたいと思わせる好渓であることは間違いないだろう。

付け加える注意点としては、さすがに6月の釣行とあって無数の山ビルに悩まされましたので、もし追っての釣行を予定される場合は十分な対策をお勧めします。